top of page

My Story about 30s

30代になって

 様々な葛藤がありながら進んできた人生でしたが、ある日、講演会のお仕事を頂くこととなりました。私の人生について話して欲しいとの事でした。私は話す内容について、とても迷いました。まず、自分が何をやってきたか、ということを理解していなかったからです。そして、自分の人生の辛かった部分や闇の部分に対する答えがまだ出来ていなかったからです。本当に話したい部分は、答えを出した自分についてなのに、答えが出ていませんでした。しかし、逆に32歳の等身大、葛藤している自分を見てもらうことも大切かもしれないとも思いました。とにかく、自分がやってきたことについて、棚卸しをしてみました。案外自分のやりたいようにきちんとやってきてるじゃん、とも思いました。当時の私は、自分のことを話すとき、楽しかったことより辛かったことの方が多く、人に話してもかわいそうだね、とか、かける声もなくなるんじゃないか、なんて考えてしまっていたので、出来るだけ、辛かったことは話さないようにしていました。

 近い過去の話は、笑い話になりにくいこともあります。まだ引き続いているからです。私は今34歳、今年35歳になりますが、楽しいと思えることも増えてきて、人生って辛いことも沢山あるけど、年を重ねることもおもしろいことだなぁと思っています。

 

 そして、新しい出会いもあり、新しい気付きや、改めてわかったりすることも出てきました。一旦フルートから離れたとしても、やめたいと思わずにフルートを続けているからこそ得られたことだと思います。幼い頃の「大切なこと」は最初は心で感じても、少しずつ大人になってきて、その後頭でわかって、また心で感じて初めて自分の気持ちが経験になって思いや感謝にして伝えることが出来るようになるのかなぁと今は思っています。だから、頭でわかるところでやめるのでなくて、感じるところまで戻ってこられるかどうかが、音楽人生に必要なことなのかなぁだと思っています。引き換えに失った物も多いけど、それでも幸せや感謝、生きている喜びを感じられるのであれば、今の私の答えの一つなのではないかと思います。

 また、まだまだ、学ばなければいけないことが沢山あります。自分で結構やったな、と思っているうちはまだまだだと思います。きっとそう思えて、初めて本物の謙虚に出会えると思います。だからこそ、日々生きていられることに感謝しながら、地道にじっくり精進して行きたいと思います。

 

bottom of page